「13年という重み」
「誠実であること」「しなやかであること」をこれからもずっと。
13年前にはできなかったことが、今はできるようになったこともあります。仕事も人との関係も、そして暮らすということも、ありたい自分たちのスタイルをちゃんと描いてやれるようになりました。人から受けた恩に感謝する気持ちは13年分大きくなったように思います。
今より13歳若いということは、とんでもなく若いということ
「ことなひまめ」という小さな事務所を開いて13年になりました。そしてその後、ホームページ開設時にごあいさつを書いてから8年という月日がたったわけです。
13年。過去をあまり振り返らない性質の私ですが、13年前の写真を見て、これにはさすがに驚きました。なんと若く、初々しいことか。廃墟同然になっていた夫の実家を一生懸命補修している男女が私たちでした。
13年前、希望に燃えて田舎暮らしを始めました。が、やはり生きていくためには稼がねばなりません。新しい仕事スタイルを模索し、看板を上げたのが「ことなひまめ事務所」でした。2人ともなんてキラキラ、ピチピチしていることでしょう! この時、既に40を過ぎていたのですが、今より13歳若いということは、とんでもなく若いということだったようです。
13年前には、まだまだこれから何でもできそうな気がしていました。今、肉体は13年分しっかり劣化し、立派な熟年世代になりました。あの頃できたことを今もう一度やれと言われても、無理無理、絶対無理! と思うことだらけです。
でも、13年前にはできなかったことが、今はできるようになったこともあります。仕事も人との関係も、そして暮らすということも、ありたい自分たちのスタイルをちゃんと描いてやれるようになりました。人から受けた恩に感謝する気持ちは13年分大きくなったように思います。
平和な会話がずーっと続いていることは、とてつもなく幸せなこと
これまで、仕事を通してたくさんのステキな人々に出会うことができました。たった2人の小さな事務所ですから、やれることには限りがあります。5時にはきっちり仕事終了、プライベートタイムになりますから、とてもとてもお金持ちにはなれません。でも、私たちはそれでいいのだと思っています。一つ一つのお仕事に誠実に向き合うこと、13年間ずっと変わっていません。そして、小さな事務所だからこそできることは、五十数年という年を重ねる中で蓄えた経験の分だけ濃くなったような気がします。
3年前に心機一転、市内に転居し、また新たなスタートを切りました。それでも、相も変わらず、今日何食べる? 明日は何を食べようか? おいしいね、楽しいね、そんな平和な会話がずーっと続いていることは、とてつもなく幸せなことなのだと思います。
一つ一つの仕事に、そして一人一人に、「誠実であること」「しなやかであること」をこれからもずっと大切にしていきたいと思っています。